▼高津和彦コラム
監修/高津和彦
取材・文/小川祐美
プレゼン能力が求められる職業というと、何が思い浮かびますか?

ドラマなどでよく見るような、重役がずらりと並んだ会場でプレゼンをする商社マン?
それとも、新商品や新サービスを発表するスティーブ・ジョブズのようなCEO?
「プレゼン」というと、そうした「新しいものを発表する」イメージを持つ方が多いと思います。
しかし実は、プレゼン能力が必要な職業は、もっと幅広いのです。
広い意味で言えば、
ありとあらゆる職業に必要と言っても、過言ではありません。
プレゼンテーションとは、情報伝達手段のひとつです。
誰かに何かを伝えよう・理解してもらおう、とする行為は、すべてプレゼンです。
飛び込みで商品を売り込む営業マンも、自分自身を面接官にアピールする就活生も、プレゼンターです。
プレゼンの中でも、特に難しいのは
「多数の人間に同時」に「目に見えないもの・形のないもの」をプレゼンする場合でしょう。最初に出てきた商社の例でも、商品という物体よりも、新しいサービスをプレゼンする方が、ずっと難易度が上がります。
その上さらに、一般人が日常的に使わないようなものであれば、もっと難しくなります。
こんな難しいプレゼンばかりをしなくてはならない職業があります。
それは商社マンでも営業マンでもなく、
いわゆる「士業」といわれる人々。
「公認会計士」「行政書士」「税理士」「社会保険労務士」「弁護士」「弁理士」「司法書士」……
こうした士業の人たちが扱っているのは、とても抽象的・非日常的なものです。それでいて、士業の人たちの知識や手助けを必要としている人々のほとんどは、自身がそのことに気づいてさえいないケースも多くあります。
つまり、ただ看板を掲げて仕事の依頼を待っているだけでは、なかなか客数の伸びが期待できない業種だということです。
士業というと、とても手堅い職業のように思えますが、業態としては個人事業主(自営業者)。
ということは、世襲で顧客を引き継いだ場合でもない限り、
自ら顧客を開拓していかなければ無収入になってしまいます。
そのため、最近では士業者がセミナーを開催して、顧客開拓を行っているケースを多く見かけます。
士業の他、ファイナンシャル・プランナー(以下FPという)やコンサルタントも同様です。
さて、そこで問題になるのが、プレゼンの力量。
先に述べたように、この種のプレゼンは非常に難しいのです。
セミナーを開催するのだから、プレゼンターではなく講師じゃないの? と、思う方もいるでしょう。
ですが、士業・FP・コンサルタントの人たちにとって、あくまで
セミナー開催は「目的」ではなく「手段」です。
図 [士業・FP・コンサルのセミナー開催フロー]
[1] 無料もしくは低料金のセミナーを開催する。→ 人が集まらない(失敗)
↓
[2] 人が集まる→ 退屈させてしまう(失敗)
↓
[3] 興味を持って聴いてもらえる→ 聴いた内容だけで満足して終わる(失敗)
↓
[4] もっと聴きたい、仕事を頼みたい、と思わせる→ その後コンタクトがない(失敗)
↓
[5] 需要に気づき、仕事を依頼される【成功】
職業が講師で、セミナー開催自体で収入を得るのなら、[3]まで行けば成功です。
しかし、士業・FP・コンサルタントの人たちにとっては、[5]の段階に到達して、やっと成功。[5]の行動を起こさせる目的のために、セミナーという手段を用いているのです。
ここで
重要なのは、[3]と[4]の段階です。
それは、なぜか。
[2]での集客は、最初は少数かもしれない。しかし、[3]で聴いたのが興味を持てる話・ためになる話ならば、再びセミナーに訪れるでしょうし、他の人を連れてくる・ブログなどに書くといった広がりが生まれます。
逆に、セミナーを聴いた人に「何を言っているかわからない・つまらない」と思われてしまったら、その後[4][5]に進む希望はないし、集客も先細りになるでしょう。
また、[3]の段階が成功して「話はおもしろかった」で終了してしまっても困ります。
[5]の成功までいくには、セミナーによって
需要を喚起し、信頼を勝ち取り、「仕事を頼むならこの先生にお願いしたい」という欲求・行動を促さなければならないのです。
士業・FP・コンサルタントに大事なのは「プレゼン力」だ、と言った意味が、わかってもらえたでしょうか?

「多数の人間に、同時に」「目に見えないもの・形のないもの」「抽象的・非日常的」という難しい条件がそろっている上に、相手に「伝わる→理解・納得→行動」という段階をクリアさせなければならず、しかもその成否が死活問題に直結している――とても厳しい職業なのです。
そのためか、ベストスピーカーの「人前で話すプロのためのスピーチスキル獲得講座」には、士業の方が多く来られ、その
真剣さは並々ならぬものがあります。
このコースは、人の前に立って話す職業全般を想定したコースで、「あがらず落ち着いて伝える・わかりやすく的確に説明する・聞き手の注意を逃がさないようにする」など、セミナー講師にぴったりな内容になっています。
ベストプレゼンの「1日集中プレゼンテーション講座」は、やはり企業に勤務している方が中心ですが、
顧客獲得に意欲的な士業の方の受講が徐々に増えてきました。
実際、ベストプレゼンの講座内容は、士業の方にこそ必要なスキルが詰まったものなのです。
特に、顧客のニーズ把握・アクションに結び付けるための表現などを
フィールドシートやチェックシートを使って抽出する作業は、ベストプレゼンならではのカリキュラム。
先の図でいうと、[4]をクリアして[5]へ進ませるために必要不可欠な部分です。
こうした準備段階に必要な理論はもちろん、それを生かす効果的な表現スキルを、
ワークショップで実践的に学べるようになっています。
既にセミナーはできている・人前でそれなりに話はできる、なのにそれが依頼に結びつかない――
そんな時は、「自分に
足りないのは、話力ではなくプレゼン力ではないか?」と疑ってみて下さい。
士業・FP・コンサルタントこそ、プレゼン力を。
このコラムが少しでも心に引っ掛かった方は、一度これまでにあなたが行ってきたセミナーを振り返って、自分自身に訊いて下さい。
――あなたのセミナーは、「成功」でしたか?
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